
解体工事に関係する建設リサイクル法の基本
建設リサイクル法は、解体工事などで発生する建設廃棄物を適切に分別し、再資源化を進めるための法律です。建物を壊して廃材をまとめて処分するのではなく、種類ごとに分け、再び資源として利用できる状態にすることを目的としています。解体工事を依頼する人にとっても関係の深い法律なので、契約前に基本を理解しておくことが大切です。
対象となるのは、コンクリート、コンクリートと鉄からなる建設資材、木材、アスファルト・コンクリートといった特定建設資材が使われている工事です。これらを用いた建築物などの解体工事で一定規模以上に該当する場合、分別解体と再資源化が義務付けられます。建築物の解体工事では、床面積の合計が80平方メートル以上であることが代表的な基準です。([環境省][1])
建設リサイクル法への対応は、単に書類を提出すれば終わりではありません。工事前の説明や届出、現場での分別、廃材の運搬、再資源化、完了後の報告までが一連の流れになります。発注者と解体業者の役割が分かれているため、どちらか一方に任せきりにせず、契約時に対応内容を確認しましょう。
なお、床面積が基準未満でも廃棄物を自由に処分してよいわけではありません。建設リサイクル法の届出対象外であっても、廃棄物処理や安全管理に関するルールは守る必要があります。
対象工事で必要になる届出と手続きの流れ
建設リサイクル法の対象となる解体工事では、原則として発注者が工事着手の7日前までに、分別解体等の計画を都道府県知事などへ届け出ます。実際には解体業者が書類作成を支援したり、委任を受けて提出したりすることがありますが、届出義務を負うのは基本的に発注者です。([国土交通省][2])
まず、解体業者は建物の構造、床面積、使用されている建材、作業方法などを事前に調査します。その結果をもとに、分別解体の方法や廃材の種類、再資源化施設への搬出計画を整理し、発注者へ書面で説明します。発注者は内容を確認したうえで契約し、必要な届出を進めます。
一般的な対応の流れは次の通りです。
・建物の構造や使用建材を事前調査する
・解体業者から分別解体の計画について説明を受ける
・契約書に分別方法や費用などを記載する
・工事着手の7日前までに届出を行う
・現場に標識を掲示して分別解体を実施する
・再資源化の完了後に業者から報告を受ける
自治体によって提出窓口や必要書類、委任状の扱いなどが異なる場合があります。工事日が決まってから慌てないよう、見積もり段階で届出の対象になるか、誰がいつまでに手続きを進めるかを確認しておきましょう。
分別解体と再資源化を適切に進めるポイント
建設リサイクル法への対応で中心となるのが、現場での分別解体です。分別解体とは、建物を重機で一気に壊して廃材を混ぜるのではなく、建材の種類に応じて順序よく取り外し、種類ごとに分ける作業を指します。適切に分別することで、コンクリートや木材などを資源として再利用しやすくなります。([環境省][1])
通常は、建物内に残された物品を撤去した後、内装材、設備、屋根材、外装材、構造部分などを順番に解体します。現場では木くず、金属、コンクリートがらなどが混ざらないように保管場所を分け、適切な運搬業者や処理施設へ引き渡します。廃材の量や搬出先が不明確な業者には注意が必要です。
解体業者を選ぶ際は、次の点を確認すると安心です。
・建設業の許可または解体工事業の登録があるか
・建設リサイクル法の届出を支援してくれるか
・見積書に分別、運搬、処分の費用が示されているか
・廃材の処理先や再資源化方法を説明できるか
・工事完了後に再資源化の実施状況を書面で報告するか
極端に安い見積もりだけで判断すると、必要な分別や適正処理が省かれるおそれがあります。追加費用の条件も含めて確認し、法律に沿った工程を具体的に説明してくれる業者を選びましょう。建設リサイクル法への適切な対応は、発注者の安心だけでなく、不法投棄の防止や資源の有効活用にもつながります。
